みどり文庫は、この度、より安定した活動が永続的に行えるよう、自分の小さな港を持ちました。新しい港を拠点に、大きな希望を抱いて再び船出を致します。
この世の中の変化を見ますと決して穏やかな航海ではないことを覚悟して、それでも冒険の旅に挑みたいと思います。 子どもは豊かな感性の持ち主、本は楽しみを与えてくれるもの、この二つを結ぶ仕事は、かけがえのない喜びを、私たちに授けてくれました。 ところが社会は目まぐるしく変わり、今や本を読む、いや読める子どもは年々減ってきています。電子機器が広く一般に普及するにつれて便利なものに走るあまり、文字を読む行為が億劫となり、やがては本への信頼が薄れていったと言えましょう。
42年間の私たちの活動は、その大きな変化を、読書力を通してはっきり見てきました。
本は、想像力、読解力、思考力を働かせて読むので、まるで主人公と同じ体験をしたかの様に、生きる術を身につけさせてくれます。かたやインターネットへの依存、情報の氾濫は、他人の言うことに翻弄されるだけで、自分で見極める力を奪います。フェイクニュースがはびこる現代が、それを証明していると言えましょう。
子どもたちが、自分で考え、判断し、周りのどんな人々にも共感しつつ、心豊かな人生を送れる人になってほしいと願って、これからも文庫活動に励んで参ります。 大人のささやかな力添えが、子どもを大きく変えます。どうぞこれからも、私どもの文庫活動に関心をお寄せください。
2019年4月
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